Hira2’s.diary

そらはいつだって淡々としている――。

間接技。

2017/03/26 0:00

後ろ髪を引かれる思いだ。
さっきチェックアウトしたホテルに、無性に戻りたくなった。よっぽど相性がよかったのだろうか。よく考えてみると、マイスリッパを部屋に忘れていることに気が付いた。

ホテルによっては、使い回しのスリッパが単に「消毒」の帯が装束されているだけのところがあって、マイスリッパを車に常備するようにしている。しかし、これをよく忘れるのだ。

フロントで預かってもらうときもあれば、鍵をもらって部屋に戻るときもある。
そのとき、自分が一晩泊まった部屋を顧みると、本当に自分を露呈しているなぁと思う。

テレビのターンテーブルが端の方にぞんざいに追いやられたままだ。
これを見た掃除のおばちゃんは、テレビを観ない人が泊ったんだわ、なんてちゃんと分かるのだろう。
ベッドのメイクでも、掛け布団が壁に挟まったままだったから、引っ張るのが面倒くさかったのか、非力なのかのどちらかだろうなんて思われ、カーテンの右側だけ閉まっているから、この位置で朝、着替えて出かけたんだわとか、うん?スリッパを履いていないようだから、ポニョみたいな人が泊ったのか、いや、ポットのコードの結び方がへたくそだからきっと男性だな、など人間模様がありありと伝播されているのだろう。それはまるで映画『96時間』のように。

そして、テーブルの上に目をやると、まだ100円玉が置いたままだ。
自分は、ホテルを出るときには、「ルームメイク100円満点!」と書いたメモと100円玉を残して去っている。これを見たとき、そうじのおばちゃんがどう思うかなんて考えたことがなかったが、いざ自分でも見てみると、我ながら失礼な所作だなぁなんて思ってしまう。
また100円というところがケチ臭い。自分がおばちゃんだったら、「1万円くらい置いていきなさいよ!」なんて思うかもしれないのだ。

周囲の親しい者に、これついて訊いてみた。
Aさん:「二重丸の200円は?100円じゃ今どき何も買えないしね」
Bさん:「いいんじゃない。それよりさぁ、今日何食べる?」
Cさん:「スロットのコインは?」
Dさん:「私にちょうだい」
ハムスター:「カラッカラッカラッ」

いろんな意見があるなか、ある人がこう切り出した。
「それなら何もしないほうがいいんじゃない。直射過ぎるよね。」
「直射?」
「うん。ホテルがなぜ快適か。それは、ホテルの客室には、家の天井みたいに照明がないよね。壁から点々と小さい明かりがあるだけ。なのに、夜になっても寂しくもなく、むしろホッとする。つまり『ともし火』だね。上からよりも同じ目線である明かり、命の灯だよ
「なるほど。目が行くところほど、さりげなさが必要だってことか」
「うん、気持ちよく部屋を引き払えば、それだけで充分。そのほうが、尾を引かないしね」
「高潔なアメニティだな~」
「気づいただけでもいいじゃないの。で、この授業料は1万円でいいわよ」

 

P.S.
スコアメイクも、ソフトな角度のPSサンド。

このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る

スポンサー広告

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

スポンサー広告