Hira2’s.diary

そらはいつだって淡々としている――。

どこでも濫用。

2017/03/23 0:00

今は、何でもWi-Fiである。
家庭にモデム一台あれば、何にでも繋がるのだ。
パソコンやスマホはもちろん、テレビ、ゲーム機、固定電話、カメラ、プリンター、インターホン、他に挙がれば、きりがある。これくらいしか思いつかないが、この調子で、水道蛇口、フライパン、ハムスターにも繋がると、世界はどう変わるのか。

とても便利にはなったが、ネットに繋ぐと私生活を覗かれているようで、そうでなくとも、絵のモデルになったようにどうも落ち着かないのだ。寝るときも、スマホの電源は必ず落としている。前までは、モデム本体の電源を落としていたが、これを毎日繰り返すと、モデムがすぐ壊れるようになった。もう一度、買っても同じように壊れたから、多分、電源を抜くな、ということだろう。

あと、幾分疑い深いのか、レンズというレンズには全部、シールを貼っている。
スマホのカメラレンズをはじめ、ドアスコープ外側、コンタクトレンズ、顕微鏡、おでこ。
それを見た連れが「なんか、シールが付いているよ。」なんて、当たり前のことをのたまうのだ。それに対して、こう答えた。
「君は、シールを貼らないのか?」
「おでこには貼らないわね。それにスマホに貼ったら、撮影できないじゃない。」
「撮影して何になるんだ?」
「来週、桜並木を観に行こうよ。年に一度の桜の美を収めないと犯罪よ。」
「僕は、生きていることが犯罪だ。犯罪なのに、罰せられないことがどれだけ苦しいか分かるか。」
「何を言っているの?」
「君の大切な時間もハートも奪っているんだ。この上ない犯罪だろ。」
「キャッ!」
「――なんていう恥ずかしい様子を、外部から見られている恐れがあるだろ。そんな顔で、どうしたらそんな言葉がついでてくるのか、どこかで笑い転げて研究されているかもしれないのだ。」
「でも、音声は筒抜けよね。映像の無いほうが、かえって想像が働くわよ。」
「え?」
「なんだってそうじゃない。声よ。好きな人の声が聞こえてくるだけでいいの。学生の頃は、うしろから聞こえてくるのあの人の声を聞けるだけで、毎日が楽しかったわ。そして、廊下ですれ違う時、一瞬だけ目が合うの。もうそれだけで、あ~あの人と繋がってる~、と思えるの。」
「Wi-Fiみたいなだな。絶対パスワードを教えたくない。」
「ヒドーい。」
人同士は、まず有線で繋がっていたという前提が優先だ。へその緒がそうだし、本命とは直感の赤い糸で結ばれてこそなんだ。じゃないと、不確かな関係においては、無線という執拗なやり方で相手の気を惹こうと奔走するんだ。まさに無線ランだ。」
「ま、ま、そうよね・・。」
「だいたい、そんな純愛小説みたいな話をしても、どうせ慣れ合いになれば、今度はお互いを監視するようになる。」
「そ、そんなことないわよ!」
「そんなわけで、今すぐイマドコサーチを解除してくれ。」

 

P.S.
プツプツ断ち切ろう。

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