Hira2’s.diary

そらはいつだって淡々としている――。

不整然(生前)。

2017/02/20 0:00

病院のお見舞いに、ポテトチップスが食べたいというから、チップスターを友人に買って行った。

「惜しい!」
「そのなに欲しいか。ホラ。」
「いや、それは違うと言ってるんだ。カルビーのポテチじゃないと、今は食べる気がしないんだ。」
「なに?見た目も味もほぼ一緒じゃないか。ジャガイモに失礼だろう。ヤマザキと団体訴訟を起こすぞ。」
「あなたに何の被害があるの?」
「220円という経済的被害だ。」
「細かいなー。ちゃんと有難く食べるよ。」
「じゃあチップスターは、いつが食べごろなんだ?熟すのか?」
「いやいや、それは気分でしょ。」
「なんだ、その林修みたいな言い方は。じゃあなぜ今は、カルビーなんでしょ?」
「今は、ガリガリと噛みたい気分で、口の中で刺さる感じが欲しんだ。」
「マゾみたいな奴だな。点滴と注射じゃ物足りないのか?だったら、主治医を呼んできてやる。」
「いや、あの食べ終わった後、口角がヒリヒリするのがいいんだ。」
「今度は、ヒリヒリか。だったら口の周りにメンソレータム塗って、山椒と一緒に食べたらいいじゃないか。」

「分かってないなー、あの良さを・・」
「そんな遠い目して、明日死ぬのか?」

「映画館でも、ポップコーンよりポテチを食べながら鑑賞に浸りたいんだ。周囲への咀嚼音を気にしながら、口で溶かしつつ、映像が賑やかになったのを見計らって、またガリガリ噛むあのシリアスな食べ方がいいんだ。」

「そうか、やっぱり明日死ぬのか・・」
「話聞いてたか?」

「聞いてるよ。要は、あのバラバラ感だな。手に取るまでは分からないけど、口にするとき、小さいものもあればドデカいものもある。だからとて、後回しするわけではない。運命に逆らわず、最後のボロボロになったカスまで完食する達成感だな。
「そ、そうだよ。食べた感があるよね。」
「どんな不都合をも受け入れる熱い姿勢がいいんだろう。」
「そう、そう。最後に指をなめるのもいいよね。」
「うわぁ、ばっちい!」
「そこ、冷たいな~。」
「人が一番熱くなれるのは一瞬なんだ。明日や明後日のポテチより、今のチップスターでしょ。」

 

P.S.
肺炎をこじらせた友人は、まだ入院中である。完治はいつでしょ。

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