Hira2’s.diary

そらはいつだって淡々としている――。

人生のムき方。

2017/02/14 0:00

たまごは、我慢強い。
冷蔵庫にいるときも、熱湯の鍋にいるときも、顔色一つ変えず、黙って白さを保っている。

人間はどうだ。
冬は寒いだの、夏は暑いだの。
スープが熱ければ、「私、猫舌なの~」とか、「風呂は、ぬるま湯の半身浴がいいんだ!」と、顔を赤らめて騒ぎ立てる始末だ。

ゆでたまごの殻も我慢強い。
静まり返った喫茶店では、どう割っていいのか分からない。

おでこ、全然割れない。
膝、割れるように膝が痛い。
耳、柔道部になる。
頭、三回目で割れる。しかるに、おでこにコブができる。
テーブルの角、簡単に割れた。よって、痛風は相当痛い。

では最初から、ムいてもらうのはどうか。
それだと、ただのプルンプルンした塊だ。
他のお客さまが、いったん口に入れてそのまま出した残り物かもしれない。
ドラマ『HERO』でも、「ゆでたまごみたいな顔してるよね」というセリフがあったが、久利生検事も、口に入れたくなったのだろう。

殻をムくという面倒な動作がいいのだ。
格闘の末、入浴剤バブが溶けかけたような憐れな姿で、食べる量よりも、ムいた量のほうが多くてもいい。
その間、考えごとができるからだ。

たまごが、人生を説諭している。
満を持して事に当たったときよりも、到底ムリだと思っていたことが、思いのほかプルンとうまくいくことがある。
けして、「チッ、これ塩水につけてねーな」と、不遇をかこって他人を恨んではいけないと。

人間も、殻に閉じ籠った仮の姿だ。
見た目では、熱意が伝わらないから。

 

P.S.
「ねぇ、あなた熱いは最高だって言ってたわよね。」と、冷蔵庫のたまごちゃん。
「最高だよ。賞味期限が迫ってきたから、そろそろだと思うぜ。とりあえず、卵かけご飯は免れてよかったな~、目玉焼きか?ゆでか?いや、俺は、だし巻きと見た!」と息をまく、お隣のたまごくん。

「ほんと?でも、卵かけご飯のほうが新鮮でよかったんじゃないの?」
「いや、この家のガキを見ただろ。前なんか、テレビを観ながら笑い転げて、俺たちの仲間を全部ごぼしやがったんだ!フライパンや鍋は安全だ。安全が一番なんだ。カステラは二番だ。」

みんな、電子レンジに入れられる。

 

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